Thu, Dec 24

  • 19:30  七面鳥は何か悟った眼をして自ら羽を毟り取り、塩胡椒香草を肌に擦り付け、尻から腸を引きずり出し、代わりに用意しておいた詰め物を詰めて、ゆったりとした足取りでオーブンに入っていったよ。盛り付けは無理だから私がやってあげたがね。さあいただくとしよう。メリークリスマス。 #twnovel

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Wed, Dec 23

  • 10:04  その土地では雨のかわりに槍が降る。槍には植物が育つのに必要な養分がたっぷり閉じ込められていて、畑を肥やし、また人をも肥やす。時々運の悪いことに、槍に刺さって死ぬ者もいるが、その屍骸もまた畑の肥やしとなる。その土地はいつも死臭に満ちているが、土は滋養に溢れている。 #twnovel

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Sun, Dec 20

  • 00:03  この柔らかい肌はあたしのやさしさと引き換えに。流れるような髪はあたしの良心と引き換えに。すらりと伸びた足はあたしの将来と引き換えに。なけなしの心を切り売りして、あたしは容れ物だけの女になる。中身が異形だと知られることは絶対ない。男は皆、容れ物しか見ないのだから。 #twnovel

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Sat, Dec 19

  • 21:25  男女の一時の過ちで産み落とされ、山奥に捨てられたカルハズミは、たまたま通りがかった男に拾われ育てられる。成長して自らの生い立ちを知らされた彼は、同じ境遇で育った仲間を探す旅に出る。彼の行く先々で、様々な軽はずみが起こるが、それが復讐の始まりだと知る者はまだない。 #twnovel

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Thu, Dec 17

  • 22:50  亡き父の書斎から出てきたこのメモには幸せの掴み方が記されています。これでとびきりの幸せを貴女に……それは私の幸せでもあるのです。さあ、メモの通りに淹れたこのお茶を。そそり立つ茶柱が貴女を誘う。物語はここから始まるのです。今なら私としわしわの老母も付いてきますよ。 #twnovel

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Mon, Dec 14

  • 17:50  「愛情ってどんな味がするの? 食べられないの?」と攫ってきた少女が尋ねる。「これがそうさ」私は鞄の中からくしゃくしゃになったビスケットを差し出す。滓をこぼしながら美味しそうに食べる少女の犬歯はみるみる伸びて、私は首筋を少女に向ける。「さあ、これが愛情の味だよ」 #twnovel

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Sat, Dec 12

  • 22:17  散髮屋の仕事をご存知だらうか。散髮だけが仕事ではない。犬の散?ビルヂングの?掃靈柩車の運轉から賣春の斡旋夜逃げの段取り武器の調達と、善惡の區別なく乞はれるまゝ何でも請け負ふ、それが散髮屋である。たゞ初めて請け負つたのが散髮であつたからさう呼ばれてゐるに過ぎない。 #twnovel
  • 13:11  「あゝこりや痛いはずだ」私の眼を覗き込んで眼醫者が云ふ。「若い奴らはこれだからまつたく……」と。「とりあへずね、彼らに鎭靜劑出しとくから。點眼してね。あとこれ、コンタクト入れる要領でね」眼醫者はコンドームを手にさう云ふ。「ちやんと計畫させなきや。あんたの責任で」 #twnovel
  • 10:41  「あゝ、こりや痛いはずだ」私の眼を覗き込んで眼醫者が云ふ。「若い男女が裸でね、あー」と。「とりあへず彼らを落ち著かせるために鎭靜劑出しときます。あとこれ……コンタクト入れる要領でね」渡されたのはコンドームである。「避姙くらひちやんとさせなさい。あんたの責任だよ」 #twnovel

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